道新かわら版3月号(捨印について)

相談15 捨印について

私(太郎)は、知人が所有している自動車を100万円で購入することとなりました。知人は後になって揉めるのを避けるためということで、売買契約書を作ってきて、私に署名捺印を求めてきました。さらに、契約書上部に捨印を押すように、とも言ってきました。

捨印を押しても問題ないでしょうか。

 

回答

捨印とは、あらかじめ訂正が生じることを予定して、契約書の空欄部分(一般的に縦書きの契約書であれば上部、横書きの契約書であれば左横)に押しておく印のことをいいます。太郎さんが契約書に捨印を押すということは、知人が自動車の売買契約の内容を変更できる権限を与える、ということになります。極端な例ですが、100万円を1000万円と訂正され、1000万円の支払を求められる可能性もありえます。

太郎さんとしては、知人の契約書をよく読んで内容に納得した場合、署名捺印をし、捨印は押さないようにしましょう。

ただし、捨印は捨印を押した人にとっても便利な場合があります。たとえば、信頼できる機関からの契約関係書類にて、捨印を押しておけば、わずかな変更には捨印で相手方が対応できる場合があります。そうすると、わざわざ、書類を作り直す必要はありません。