道新かわら版10月号(刑事弁護人)

相談22 刑事弁護人

素朴な疑問なのですが、弁護士はどうして被疑者・被告人の弁護活動をするのですか。

また、国の税金を使う国選弁護人制度があるといいますが、悪い人のために税金を使うことに納得がいきません。

 

回答

「刑事被告人は、いかなる場合にも、資格を有する弁護人を依頼することができる。
被告人がこれを依頼することができないときは、国でこれを附する。」(憲法37条3項)が、弁護活動の法の根拠です。

刑事裁判であってはならないことは、罪を犯していないにもかかわらず罪を犯したとの認定を受ける「えん罪」です。

えん罪を防ぐために被疑者・被告人は自分が罪を犯していないことを、裁判所にわかってもらわなければならず、
そのためには弁護人の助力が必要となってきます。

なお、刑事事件の多くは、自分が罪を犯したことを認めている場合がほとんどです。
これをいわゆる「自白事件」といいます。
自白事件の場合、弁護人は、被疑者・被告人に対し、反省を促し、
二度と同じ過ちを繰り返さないよう被疑者らと一緒に考えを深めていきます。

弁護人といえば、被告人の良いところを取り上げて罪を軽くする活動ばかりしていると思われているかもしれませんが、
実際の刑事裁判では、検察官以上に弁護人が、被告人を法廷で厳しく追及し、反省を促すことがあります。
それは、被告人に立ち直って欲しい、という弁護人の思いがつい溢れてしまうからです。

被告人には、生い立ちや家族関係が不遇な方もいます。
だからといって犯罪をしてよい訳ではありませんが、社会が十分に不遇な人をサポートできなかった結果、
犯罪者になってしまっている部分は否定できず、せめて最後の救いとして国選弁護制度がある、と私は考えています。