道新かわら版8月(建物買取請求権)

相談20 建物買取請求権

 

私(太郎)は、花子さんから、土地を30年間の約束でお借りし、その土地上に自宅を建てました。

そして、もうそろそろ、30年間の約束の期間がこようとしております。

土地賃貸借契約書を見ると、「借主は、契約期間満了後は速やかに、土地上の建物を撤去し土地を明け渡すものとする。」と書かれております。

そこで、私は上記の契約条項に基づき、建物を取り壊して明け渡す必要があるのでしょうか。

 

回答

市販の契約書には建物収去のうえ土地を明け渡すことを義務付ける条項を記載しているものが多く、貸主も借主も当然のこととして認識している事例が多いです。

しかし、借地借家法により、契約期間が満了した場合において、契約の更新がないときは、借主は、建物を時価で買い取るべきことを請求することができます。

これは、①せっかく建てた建物を取り壊すことが社会的に不経済であること、②建物を建てた人の投下資本の回収を図る、という法の趣旨に基づくものです。

借主の太郎さんは、契約書に記載されている建物収去土地明渡条項の無効を主張し、花子さんに対し、建物を時価で買い取ることを請求することができます。

地主は、建物買取請求権に備えて毎月の地代金を高くする対策をするなどして借主からの建物買取請求権に備える必要があるでしょう。